世界最古の「巻物」とは?

背景

紀元前2千年紀には、人々は情報を書いて保存する方法を模索していました。当時、文字を刻んだり、焼いたりする方法が一般的でしたが、より効率的な方法が求められていました。

巻物の起源

そんな中、紀元前約3,200年にエジプトで「巻物」と呼ばれる新たな書物の形式が生まれました。巻物は、羊皮紙やパピルス(紙葉)を使用し、横長の形状で文字が連続して書かれていました。

世界最古の巻物

世界最古の巻物として知られるのは、エジプトの都市テーベの王墓から発掘された「テーベの財務官アメネムネス 2 世の巻物」です。この巻物は紀元前1,400年頃のものであり、テーベ市長であったアメネムネス 2 世の葬儀儀式に関する詳細が記録されています。

巻物の特徴

巻物は、文書全体が一つの長い連続したストーリーのような形式で書かれており、上から下へと巻かれました。文字や図像は常に正方向で読むように配置され、読者は巻物を手で広げることで情報を閲覧しました。

巻物の欠点

巻物の形式にはいくつかの欠点もありました。例えば、閲覧中に特定の箇所に簡単にアクセスすることが難しかったり、手入れが煩雑だったりしました。

巻物から書籍へ

紀元前1世紀になると、巻物とは異なる形式の書籍が登場し始めました。この新しい形式は、現代の本に近い形態であり、ページをめくることで特定の箇所に簡単にアクセスすることができました。

こうして、巻物は書籍という形式に取って代わられていきました。しかし、巻物が書物の進化を促した重要な存在であることに変わりはありません。


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