月の地球への固定運動
多くの人は、月の表面を見ることができ、しかも必ずその一つの面だけを見ることができると思っています。しかし、実際には月の裏側も存在し、常に見えない状態にあります。
月が地球の周りを公転している間に、自転も同時に行っています。その結果、月の自転速度と公転速度が同期し、常に同じ面を地球に向けている状態が続いています。
アポロ計画による初の裏側の観測
実際に月の裏側を観測することは、長い間不可能とされていました。しかし、1960年代に実施されたアポロ計画により、初めて月の裏側の観測が行われました。
アポロ8号は1968年に月の周回軌道に投入され、初めて月の裏側を周回し観測しました。また、アポロ11号は1969年に地球から初めて月面に到達したミッションであり、その際にも月の裏側の一部が観測されました。
裏側の地形と特徴
月の裏側は、表側とは異なる地形や特徴を持っています。
裏側の地形は、平坦な地域が多く、クレーターの密度は表側と比べて低い傾向があります。特に南極地方には大きなクレーターが存在し、その中には南極エイトケート(South Pole-Aitken Basin)という直径約2500kmの巨大なクレーターもあります。
また、月の裏側に存在する海は、表側の海(月の暗い部分)よりも影になっていることから「影の海(Mare Umbrium)」と呼ばれています。この影になっていることから、古代の人々が鏡のような存在として裏側の海を想像していたと言われています。
以上が月の裏側に関する豆知識です。月の裏側はなかなか観測されないため、まだまだ未知の領域と言えるでしょう。
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