なぜハチミツは腐らないのか？

ハチミツの主成分

ハチミツは、主に糖分から成り立っています。糖分の90%以上がグルコースとフルクトースで構成されており、水分含有量が少ないため微生物の生育を防ぎます。

ハチミツには酵素が多く含まれており、特にグルコースオキシダーゼという酵素は酸素を必要とするため、ハチミツ中の酸素を消費して酸素濃度を低下させます。酸素が不足している状態では、ほとんどの微生物は生育できません。

ハチミツの糖分濃度は通常75%以上であり、微生物は高濃度の糖分環境に適応できません。また、ハチミツの水分含有量は通常20%以下であり、微生物の生育に適さない環境を作り出します。

ハチミツはpH値が約3.9から4.5の範囲であり、微生物の生育を抑制します。酸性の環境では多くの微生物は生育できず、腐敗を引き起こす細菌やカビも増殖しにくくなります。

ハチミツは密封された状態で保存されるため、外部の微生物の侵入を防ぎます。また、ハチミツにはヒドロゲンペルオキシドという抗菌物質が含まれており、微生物の増殖を抑制します。

ハチミツが腐らない理由は、上記のような要素の組み合わせによるものです。この独特な環境条件がハチミツを長期間保存可能な食品として作用しています。