ミイラは太陽光によって発火することがある

ミイラの作り方

ミイラとは、古代エジプトで行われていた死者の遺体の保存方法です。ミイラ作りの過程では、内臓を取り除き、遺体を特殊な液体で処理し、乾燥させます。これによって腐敗を防ぎ、遺体を長期間保存することが可能となります。

ミイラ化の過程で特殊な化学反応が起こります。遺体の乾燥させる過程で、糖分やタンパク質が反応し、メラニンと呼ばれる黒褐色の物質が生成されます。このメラニンは、ミイラの特徴的な色合いを作り出し、遺体を死後何世紀にもわたって保存します。

一部のミイラは太陽光によって発火することがあります。これは、メラニンが有機物であるため、紫外線に対して非常に敏感だからです。紫外線のエネルギーがメラニンに吸収され、熱に変わります。その熱が蓄積されることで、遺体や棺が燃える可能性があります。

実際に、ミイラが発火した例は数多くあります。特に有名なのが、ルイス・セロジンスキーというエジプト学者のケースです。彼は遺体の研究に情熱を傾けており、ミイラの展示会で講演中に自身のミイラが発火しました。火災はすぐに鎮火されましたが、その光景は多くの人々に衝撃を与えました。

ミイラは発火する可能性があるため、展示物として扱う際には注意が必要です。展示室内の照明には、紫外線カットフィルターが使用されることが推奨されています。また、定期的な点検と保守が行われるべきです。ミイラ発火は稀な現象ですが、それでも慎重な対応が求められるのです。