世界最古の書籍はビブリアパエパエ（Biblia Pauperum）

ビブリアパエパエとは

ビブリアパエパエは、現存する最古の書籍であり、ラテン語で「貧者の聖書」という意味です。15世紀半ばに作られたこの書籍は、イラスト付きの中世ヨーロッパの本で、宗教的な内容を持っています。

ビブリアパエパエは、ページに大きなイラストと短いテキストが描かれています。イラストは3つのパネルで構成されており、それぞれが旧約聖書の物語の一部を語っています。テキストは主に、イラストの上部、中央、下部に配置されています。

この書籍は、当時のキリスト教徒の教育のために作られました。ビブリアパエパエは、アナログな時代において、絵と文章を組み合わせることで効果的な教育ツールとなりました。

ビブリアパエパエは、当時の人々にとって非常に有益な教材であり、近代的な教育書の先駆けとも言える存在です。イラストが豊富なビブリアパエパエは、字が読めない人々にとっても物語を理解しやすくする役割を果たしました。

また、ビブリアパエパエは印刷技術の進歩にも大きな影響を与えました。この書籍の大量生産には、木版印刷技術が用いられました。その後の印刷技術の発展と普及にも繋がったのです。

ビブリアパエパエは現在、およそ180冊ほどが残っています。これは中世ヨーロッパの書物としてはかなり多い部類に入ります。

しかし、ビブリアパエパエの版数は非常に多いため、それぞれの版には微妙な違いが見られます。この書籍の版の研究は、歴史家や書物愛好家の間で盛んに行われています。