豆知識
2019年、アルメニアの北部で発掘された、紀元前3500年頃の遺跡から、世界最古の口紅が発見されました。この口紅は、層状の泥炭と、植物油や動物油などを混ぜて作られています。
この発掘品は、口紅としてだけでなく、おそらくは顔や身体の装飾品としても使われていたと考えられています。
詳細
この発掘品は、アルメニアのシラス川を支配していたハイト族が住んでいたとされる遺跡から発見されました。この遺跡は、紀元前3500年から紀元前2500年頃にかけて存在し、この時期は繁栄していたようです。
口紅の成分は、地下水から取り出された色素と、炭酸カルシウム、シリカ、アルミニウムなどの鉱物を含む層状の泥炭と、植物油や動物油を混ぜて作られています。この混合物を、角のような器具を使って混ぜた後、細長い筆状に形成しました。この筆で塗ることで、赤紫色の口紅ができあがります。
このような口紅が使用されていた時期には、口紅や化粧品が身分の象徴であったと考えられています。また、この口紅が国土外からも輸出されていたという指摘もあり、ハイト族が古代の国際交流に関わっていたことが示唆されています。
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