豆知識
ゴムは、長期間使わなかった場合や保管方法が不適切な場合に限り、緩んでしまうことがあります。しかし、寝かせているだけでは緩まないというのが正解です。素材的に、ゴムは伸ばされた状態から元に戻る性質があり、それを利用して様々な用途に活用されています。
詳細
一般的に、ゴムは伸ばした状態で保管すると劣化することが知られていますが、寝かせるだけでは緩むことはありません。ゴムの劣化というと硬化を想像する方が多いかもしれませんが、実は硬化する以外にも、柔らかくなりやすくなることもあります。特に変形や接触によりゴム表面が荒れると、空気中の酸素や紫外線により酸化反応が進み、ゴム表面から分子量の低い化合物が発生します。このように表面から分子量の低い化合物が発生すると、ゴムの強度低下やひび割れ、変形などの劣化が発生することがあります。
また、ゴムの弾力は瞬間的なものであり、長時間伸ばしたまま保持することは、伸縮する際にゴム自体に負荷をかけることとなり、劣化する原因にもなります。そのため、一定の重さをかけて伸ばした状態で長時間保持すると、緩むことがあります。
一方で、ゴムは伸ばされた状態から元に戻る性質があります。そのため、ストラップやゴムベルト、風船など、さまざまな用途に活用されています。また、ゴムは圧縮性にも優れているため、緩衝材やシール材などにも使われます。
まとめ
ゴムは、保管方法や劣化により緩むことがあるものの、寝かせるだけでは緩まないということが分かりました。ゴムは弾力や圧縮性に優れ、様々な用途に活用されています。未使用のゴム製品を保管する場合は、湿気を避け、直射日光や高温を避けることが大切です。また、長期間使用しない場合には、定期的に取り出して伸ばして元に戻すことで、劣化を防ぐことができます。
参考文献
- 「ゴムとエラストマーの物性・加工の基礎」(日本ゴム協会)
- 「ゴムの基礎と応用」(工利株式会社)
- 「朝日小学生新聞」2021年9月16日記事 「つかわないゴム製品も、ちゃんと手入れを 劣化対策、防ぐポイント」
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