背景
メキシコの国旗には、緑、白、赤の3色の縦ストライプと、中央にある紋章が描かれています。紋章の中央には、ワシが蛇をくわえた姿が描かれています。この意味するところは、何なのでしょうか。
ワシと蛇の伝説
現在のメキシコは、かつてアステカ帝国などの文明が栄えていた土地でした。メキシコの国旗のワシと蛇の紋章は、アステカ文明の時代に遡るとされています。伝説によると、神話の中に「太陽神(ティオクティリポカ)」と「蛇の女神(クエツァルコアトル)」という二人の神々がいました。
太陽神は、長年人間界を支配してきましたが、ある日何者かに殺されてしまいました。その後、太陽は昇らなくなり、人々は暗闇の中で暮らすこととなりました。そんな状況を救うため、太陽神を打ち倒したとされるティオクティリポカが、「ワシの姿」でやってきました。そして、ワシが蛇をくわえる姿を見たティオクティリポカは、「ここに新たな太陽を作るための場所を探すのだ」と命じ、蛇が向かった場所が現在のメキシコシティになったとされます。
紋章の意味
こうした伝説に基づいて、メキシコの国旗には、ワシと蛇が描かれた紋章が採用されました。紋章は、「自由、独立、正義」を表す3つの鍵と、目に見えない神秘的な力を表す緑の輪が描かれています。そして、ワシが蛇をくわえた姿は、太陽神と戦って勝利を収めたティオクティリポカを思わせる象徴的な意味があります。
以上が、メキシコ国旗に描かれたワシと蛇の紋章の由来と意味です。
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