「花言葉」とは

花言葉の定義と起源

花言葉とは、花に対して特定の意味を持たせた言葉のことである。それぞれの花には、その花に由来する色や形、香りから特定の意味が設定され、贈り物や花束において「その花言葉に合わせた意味」が込められるようになった。

花言葉が最初に登場したのは、花卉書と呼ばれる書籍であるとされている。17世紀にオランダで出版された『花神』が記録として残っており、この書物には多数の花の画像と、花言葉が記されている。

「桜」と「菊」の花言葉

桜の花言葉は「満開」「美しい女性」「儚さ」の3つが主にあげられる。これらは、桜の美しさが一瞬しか続かないこと、春になると美しい女性たちが桜の木の下で花見をする風景を想起させることから、かつて日本で一般的だった東京婦人会の定義に漏れがないものとされた。また、桜に対しては、古くから人々が感じる芳醇な感情が込められており、「震えるほどの感動を与える美しいもの」を意味する。

一方、菊の花言葉は「清貧」「日本人の心」「長寿」が代表的である。これらは、茎が粗く葉も厚いが、花弁は繊細で鮮やかな織物でできたように美しいという特徴から、清貧な生活を送っていても美しさを備えた人々を表すようになった。また北国の夏の片隅で育つため、日本人の力強い精神を象徴し、長寿には関係深い文化的イメージがある。

花言葉を使った文化的習慣

花言葉は、誕生日や結婚式、葬式などの様々な場面で贈り物や花束に含まれるようになった。特に、恋愛においては気持ちを伝えるための一つの手段として使われることが多い。例えば、ツバキの花言葉「あなたに恋する」「僕ばかり好きになられても」、バラの花言葉「あなたを一生愛する」など、愛情や思いの強さを表現することができる。

また、日本では古くから「花見」という習慣があり、特に桜の開花期になると多くの人が公園や道路の両側などで群れをなして楽しむ。この風習は今なお受け継がれ、企業などによる「お花見イベント」が開催されることも多い。