ペンギンの羽毛は寒さに強いワケ

ペンギンの羽毛の構造

ペンギンは、極寒の南極や南米沖の海で生活しています。そこで暮らすために、ペンギンの羽毛はとても特殊な構造をしています。まず、羽毛の表面には、油分の多い特殊な脂肪分泌腺があります。これによって、羽毛表面に微小な油膜ができ、水をはじいて濡れにくくなっています。

また、羽毛の中には細かい毛状の構造体があります。この毛状体は、ペンギンの身体と羽毛の間に空気層をつくる働きがあります。空気は熱を伝えにくく保持しやすいので、ペンギンの身体が暖めた空気が羽毛の中を循環することで、羽毛の中の空気が温められて保温効果が高まります。

ペンギンの羽毛は回転対称性を持っていることが、保温効果を高めるうえで重要です。回転対称性とは、ある物体が一定の角度だけ回転させても形が変わらない性質のことです。羽毛が回転対称性を持つと、羽毛の中の空気層が定まった形を保ちやすくなり、羽毛の中に空気層ができて保温効果が高くなります。

ペンギンの羽毛は、油膜と空気層を利用して、寒さに強く保温効果を高めています。そのため、ペンギンは寒冷な環境でも活動的に生活できるのです。