サルのタイムオーバー

サルが抱える時間感覚の違い

ある実験により、猿の時間感覚において人間と異なる点が明らかになりました。そこで、サルが人間が扱える「時間の限界」にどう挑むのか、というテストが行われました。

このテストでは、猿にレバーにタッチしている時間を数秒間数えさせ、時間が過ぎたらレバーを離すように教えました。最初に猿に数える部分を教える段階があった後、猿は自由に時間を数えることができるようになりました。

しかし、猿がレバーを離す時刻は、設定された時間を大幅に超えることが多かったのです。人間は60秒であれば55秒くらいでレバーを放すことができますが、猿は80秒くらいしてから離す場合がほとんどでした。

この実験では、猿が人間と異なる時間感覚を抱えていることが明らかになりました。ただし、猿が時間感覚に苦手意識を持っている訳ではありません。猿にとっては自分自身が生きていくために必要な時間であり、この感覚は生存にとって重要な役割を担っているのです。

つまり、人間と猿では時間感覚が異なるということが分かったと同時に、各種動物が持つ感覚器官は、その動物が生き抜くために必要な情報を適切に伝えるように進化していることがわかりました。