イスラム海賊、バルバリア海賊
16世紀から19世紀にかけて、地中海で活動したイスラム教徒の海賊を指す。彼らは北アフリカ沿岸にある都市国家アルジェリア、チュニジア、トリポリ、マルタ島などを拠点に活動していた。アフリカの北海に面した地域のことを「バルバリア(Barbary)」と呼んでいたことから、歴史家たちは彼らを「バルバリア海賊」と呼ぶ。
バルバリア海賊たちは、地中海に進入するイタリア、スペイン、フランスなどの海商を襲っていた。当時の地中海には多数の商船が往来していたため、襲撃して獲得する富豪を手に入れ、バルバリア海賊の勢力は年々拡大していった。
最も恐れられたバルバリア海賊、バルバロス・ハイレッディン
バルバリア海賊の中でも、最も恐れられたのがオスマン帝国の宮廷に仕えていた、バルバロス・ハイレッディンという人物である。彼はスペインの船員からヤンキーギフト「Redbeard」として知られ、その勢力はアフリカ、シチリア島、トスカーナ海岸、サルデーニャ島などに及ぶ広範囲にわたっていた。
バルバリア海賊の中でも、バルバロスの勢力は非常に大きく、オスマン帝国の力を背景に対外的に影響力を増し、さらには海上強国としての地位を築いた。そのクルセイダーに対する積極的な攻撃の結果、バルバリア海賊は削減された。バルバロスは、1560年にマルタ戦争で破れるまで、地中海において他のイスラム海賊、キリスト教徒の海賊、そしてヨーロッパの海軍と戦い続けた。
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