日本で唯一のアホ祭り「御前試合」

御前試合とは？

御前試合とは、日本で唯一のアホ祭りとされるものです。奈良県の天理市で毎年開催され、地元と周辺の町村から選ばれた若者たちが、ダチョウ倶楽部のようなネタ芸や音楽パフォーマンスを披露し、審査員による点数で競います。

この祭りの起源は、室町時代の天理の実力者であった佐々木氏が、配下の武将たちを鍛えるために催した「御前試合」という武術の稽古にさかのぼります。しかし、明治時代には、御前試合は禁止され、その伝統は途絶えてしまいました。

そんな中、1969年に、天理市の商工会が衰退する商店街を盛り上げようと、昔の御前試合をパロディ化したイベント「アホだけど笑ってごらん御前試合」を開催しました。その後、天理市の若者たちが自主的に後を継ぐ形で、御前試合が現在の形になったといわれています。

毎年5月5日に行われる御前試合には、地元の若者たちはもちろん、全国各地からの参加者も多数集い、約2万人の観客を集めます。開会式では、町内の小学生が太鼓演奏を披露し、その後は若者たちのパフォーマンスが続きます。

特に有名なのは、「うんちくクイズ」や「人生相談」といったユニークなコーナー。戦後日本の文化や風俗、最近話題になったニュースなど、幅広い分野から出題されるクイズに、若者たちは一生懸命に答え、観客を沸かせます。また、「人生相談」では、若者たちがおもしろおかしく人生の悩みや相談を聞いてくれます。

御前試合は、日本で唯一のアホ祭りであり、地元や参加者からは大変愛されています。この祭りが、天理市の活性化や若者たちの交流・育成に大きく役立っていることが、地元の人々からは認められています。