背景情報
トルコ共和国の南東部にあるシャンルウルファ県は、かつてローマ帝国やオスマン帝国の支配下にあった歴史を持つ土地です。その中でも、今回紹介するヒレットという都市は、過去に4000年以上もの歴史を持つとされる、とても古い街でした。
ヒレットの消えた理由
しかしながら、「今では存在しない」という事実があるのもまた、驚くべきことです。実は、ヒレットは、ティグリス川の建設計画によって、水没することになってしまった都市のひとつなのです。つまり、川を利用した水力発電等のインフラ整備のため、1960年代には人々は「水没する古都」として認識していたのです。
ヒレットの水没と現在
そして、ビルギン・カルダシュなどの文化財が水没する前に、トルコ政府は、この問題に対して抜本的な対策を打ち出しました。彼らは、文化財を次々と移設していき、近隣にも新しい街を建設して、人々を移住させました。それにより、かつては、現存しない2つの人口密集地区が出来上がったのです。
また、最近では、ダム湖の水位が低下したことにより、古代都市が再び現れるといった、波乱の展開も噂されています。
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