古代エジプトでの歯の治療

歯医者は存在した？

古代エジプトにおいては、歯の治療に関する書物も存在しており、歯に関する知識を持った「歯医者」と呼ばれる人々が存在していました。
しかし、当時の歯医者は専門職としての認知度は低く、多くは役人や職人などが余暇の時間に行っていたと言われています。

どのような治療が行われていた？

エジプト人は、口腔衛生の意識が高かったこともあり、虫歯はそれほど多くなかったとされています。
しかし、歯の痛みや欠損には苦しんでおり、その治療方法としては、石や金属製の器具を使って歯を削ったり、欠損した歯には、シロアリの巣を詰めるなどの方法が用いられていました。

歯の治療における宗教的な意味

古代エジプトでは、歯は再生と守護の象徴とされ、重要な存在でした。
そのため、歯の抜歯や神経治療は人体の損傷と考えられており、実際には、歯の欠損が進行しても抜かない傾向がありました。
また、神経治療においては、痛みを取るために頭部をたたいたり、神秘的な呪文を唱えるなど、宗教的な意味合いも持っていました。

以上のように、古代エジプトにおける歯の治療には、現代とは異なるものが含まれていました。しかし、それでも人々は自分たちの身体を健康に保つために尽力していたことが分かります。

参考：https://www.jstage.jst.go.jp/article/josnusd/58/1/58_49/_article/-char/ja/