モリスの逆説

背景

「モリスの逆説」とは、英国の詩人・美術家・社会思想家であるウィリアム・モリスが提唱した、ある種の“逆襲の美学”である。19世紀末から20世紀初頭にかけて、イギリスの工業化が進み、街や社会が乱雑に変わっていった時代に、モリスは美的価値観を考察し、現代社会に対する批判を織り交ぜながら、独自の美意識を確立していった。

モリスの逆説とは?

モリスは、現代社会や工業化によって街や家具、衣服などが機械的で無機質になっていったことに対して、手仕事や自然素材を使い、美しい工芸品や生活用品をつくることが、人間の豊かな生活にとって必要だと考えた。それによって、人間の手によるもの、個性的であること、そして価値があることが再認識される、というのがモリスの考え方である。

具体例

モリスは、手工芸のこだわりから、自らデザインを手がけた「モリス・チェア」を製作した。このチェアは、木材や布地素材を手仕事で加工し、意匠も人間の手によるものであることから、モダンかつ暖かみのあるデザインとなった。また、モリスは彼自身が立ち上げた「ウィリアム・モリス社」にて、“美しく使いやすい、普遍的な商品をつくるために工芸と工業を融合する”というモリス独自のスタイルを確立した。

まとめ

モリスの逆説は、現代社会が機能美や合理性を追求し、個性的で美しい人間性を失ってしまったことへの批判から、人間の手による手仕事、自然素材を大切にし、その美意識を人々に取り戻す、というものである。モリスが提唱した美学は今でも現代のインテリアデザインなどに大きな影響を与えている。


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