アメリカ合衆国の州の中で唯一、公用語が英語でないのはハワイ州

ハワイ州と公用語の経緯

アメリカ合衆国は英語が公用語とされていますが、その中で唯一例外となるのがハワイ州です。ハワイ州では、英語と並んでハワイ語が公用語として認められています。

ハワイ語はハワイの先住民であるハワイアン族の言語であり、ハワイの文化や歴史を体現するものとして保護されています。ハワイ語の公用語化は、1978年にハワイ州憲法が改正されたことにより実現しました。

公用語として認められることで、ハワイ語はハワイ州内の公共施設や政府機関で使用されるほか、教育現場でも教えられています。ハワイ州では、幼稚園から大学までの教育において、ハワイ語の教育プログラムが提供されています。

また、ハワイ語の保護と復興も積極的に行われています。ハワイ語学校や研究施設が設立され、ネイティブスピーカーの指導者も育成されています。さらに、ハワイ語の復興活動にはハワイ語を学ぶ一般の人々も積極的に参加しています。

ハワイ語はポリネシア語派に属し、独特の音韻体系を持っています。アルファベットは5つの母音（a、e、i、o、u）と7つの子音（h、k、l、m、n、p、w）からなります。また、長音や促音などが用いられ、スペルと発音の関係も特徴的です。

ハワイ語には、自然環境や文化の概念に関連した豊富な語彙があります。たとえば、「aloha」は「愛」という意味だけでなく、ハワイの精神や思想を表す広範な概念でもあります。

ハワイ語はハワイ州のアイデンティティや文化の一部として大切にされていますが、現在では流暢なハワイ語を話す人口が減少しています。そこで、ハワイ州ではハワイ語の使用促進や教育の充実、保護の取り組みに力を入れています。

ハワイ語は他のポリネシア語との類似性もあるため、ハワイ語を学ぶことで広い範囲の文化や言語にも触れることができます。ハワイ州に訪れる際やハワイ文化に興味を持つ際には、ハワイ語の基礎知識を身につけるとさらに楽しめるでしょう。