世界一高い山はエベレストではない

世界で最も高い山は地形学的な要素によって決まる

一般的に「エベレストは世界一高い山」と言われていますが、実はこれはある特定の指標に基づいた言い方であり、地形学的な要素によっては別の山がより高いとされることもあります。

地球上で最も高い山を決めるためには、通常海抜の絶対値を基準に考えますが、地震学や地殻変動の観点からは、地球の表面から最も遠く離れた地点までの高低差を考慮した「地球からの総高さ」という指標が使われることもあります。

エベレストが一般的に「世界一高い山」とされるのは、海抜の絶対値を基準にした場合の高さが最も高いからです。エベレストの標高は8,848メートルであり、他の山と比較した場合、その差はかなりのものです。

一方、地球からの総高さを考慮すると、エベレストは最も高い山ではないことがわかります。地球の中心から山の頂点までの距離を考慮すると、エベレストの地球からの総高さはおよそ6,382キロメートルになります。

しかし、ハワイ・マウナケア山が地球の表面から最も遠くにある山として知られており、地球からの総高さはおよそ10,205キロメートルに達します。これはエベレストの地球からの総高さを大きく超える数値です。

さらに、地球の表面からの総高さだけでなく、地殻変動や海底の高さも考慮した場合、さまざまな山が最も高いとされることもあります。たとえば、ハワイのマウナロア山は、海底からの高さがエベレストよりも大きいため、「世界で最も高い山」とされることもあります。

地形学的な要素によって最も高い山が異なることから分かるように、世界一高い山を決めることは単純な問題ではありません。各指標を考慮しながら、最も適した指標に基づいて判断される必要があります。