コーヒーの起源と普及

第1章コーヒーの起源

コーヒーはアラビア語で「刺激するもの」という意味で、エチオピアの南西部に位置するアラビア半島が発祥地とされています。

伝説によると、9世紀のある日、エチオピアの牧羊少年カルディは山中で羊群を見守っていました。すると羊たちはある木の実を食べ、非常に元気になりました。興味津々のカルディもその実を試し、元気がみなぎり始めました。

この実がコーヒーの種であり、その後アラビア半島で広まり、イスラム教徒の信仰心を高めるために飲まれるようになりました。

14世紀頃、中東の文化の中心となっていたメッカやイスタンブールでは、コーヒーが人々の間で広まっていきました。

オスマン帝国でコーヒーが特に愛飲され、公共の場にコーヒーハウスがオープンするなど、交流の場としても利用されました。

その後、17世紀にオランダの東インド会社がコーヒーの栽培に成功し、ヨーロッパへと広まりました。さらに18世紀にはコーヒーの種がフランス領のマルチネーク島に持ち込まれ、ラテンアメリカへの伝播が進みました。

日本におけるコーヒーの普及は、16世紀の江戸時代にオランダ商館が長崎に設立されたことがキッカケとされています。

当初は高級品として飲まれていましたが、明治時代になると西洋の風習として広まり、現在では日本でも一般的な飲み物となりました。

日本独自の文化として、コーヒー専門店やカフェ文化が広がり、コーヒーの種類や抽出方法にも独自の工夫がされるようになりました。

コーヒーは世界中で愛される飲み物であり、その歴史的な背景や文化的な影響は多岐にわたっています。