蚊の羽音はなぜ高い音？

蚊の羽音の特徴

蚊は非常に小さな昆虫ですが、その羽音はかなり高い音域に位置しています。一般的な蚊の羽音は、約15000Hzから20000Hzの周波数で発せられることが多いです。これは人間の可聴範囲（20Hzから20000Hz）の上限に近い高音に当たります。

蚊の羽音の高さの原因は、蚊の翅（はね）の独特な構造によります。蚊の翅は非常に小さく薄く、数百回も繰り返し振動します。この振動が蚊の羽音として聞こえています。

蚊の翅の振動数は、通常その個体の大きさや種類に関係しています。一般的に、小さな蚊ほど翅の振動数が高くなり、高い周波数の羽音を発生します。

高周波音は、一般的に人間の耳には聞こえにくいです。これは、内耳の一部である耳蝸（じか）が高周波音を検知する神経が低下することによるためです。年齢とともに、特に高い周波数の音を聞き取りづらくなることがあります。

高周波音は、他の動物には聞こえる範囲にあたることがあります。たとえば、イヌやネコは蚊の羽音を聞くことができるため、彼らの反応は人間よりも敏感であると言われています。

蚊の羽音が高い周波数に位置しているため、これを利用した蚊対策が存在します。例えば、超音波を発生させる装置を使用することで、蚊の近づきを避けることができます。この超音波は人間には聞こえず、蚊のみが避けるように設計されています。

しかし、蚊の種類や個体によっては、超音波に対して免疫を持っている場合もあります。また、超音波を発生させる装置は、周囲の環境によって効果が異なる場合があるため、単独での蚊対策としては安全性や効果には注意が必要です。