イスラム黄金時代に栄えたティムブクトゥ
一般的にはヨーロッパの中世時代に現れた大学が最古とされていますが、実はアフリカにも古代の大学が存在しました。その中でも特に有名なのは、西アフリカのティムブクトゥにあった「スーフィー学派」の大学です。
9世紀から16世紀にかけての栄華
ティムブクトゥはイスラム黄金時代に栄え、9世紀から16世紀にかけてはアフリカ有数の知識の中心地となりました。この期間にティムブクトゥ大学は数千人の学生を養成し、数百の図書館にはコーランや科学書、哲学、医学などの膨大な量の文献が集められました。
遠隔地への学問の普及
ティムブクトゥ大学は、アフリカ大陸内だけでなく、北アフリカや中東の教育機関とも交流し、知識の普及に貢献しました。当時、イスラム法学や天文学、算術などの分野でティムブクトゥの学者が知られ、西洋でも「黒い大学」として称賛されました。
サハラ砂漠の厳しい環境
ティムブクトゥはサハラ砂漠に位置していたため、厳しい気候条件や交通の制約に直面しました。しかし、交易路の交差点として栄え、アフリカ各地から学生や学者が集まりました。
近年の保護活動
ティムブクトゥ大学は長い間忘れられていましたが、2000年代に入り、その貴重な歴史的遺産の保護が急がれるようになりました。現在では、UNESCOの世界遺産に登録されており、国際的な支援のもとで保全活動が進められています。
ティムブクトゥの大学は、アフリカが初めて育んだ学問の拠点であり、アフリカ史において非常に重要な存在です。
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