地球の中心はややずれている！

背景

地球は球形をしていると学校で習ったことがありますが、実際には完全な球ではありません。実は、地球の形はややずれており、地球の中心も球面上でややずれているのです。

地球の形は、地球自体が自転していることや地球上の山や谷、海の重力などの要素によって変動します。これらの要素によって地球は、ある程度までずれた形をしているのです。

地球の形を表すために、地球の幾何学的な形状をモデル化したものを「ジオイド（geoid）」と呼びます。ジオイドは、地球の重力や海水面の形状を反映したもので、地球の形に最も近いモデルです。

ジオイドに基づくと、地球の中心も完全な球形上にはありません。地球の中心は、「重力の中心（center of gravity）」と呼ばれる点に位置しています。

重力の中心は、地球上の物質の分布によって決まります。地球は非均質な物質で構成されているため、地球内部の物質の密度や分布によって重力の中心がややずれているのです。

地球の中心がややずれていることによって、地球上の万有引力や物体の重力加速度も微妙に異なる影響を受けます。これは、航空や宇宙飛行の軌道計算やGPS測位などの精度に影響を与える要素となっています。

さらに、地球の中心のずれを考慮することで、地球内部の物質分布や地殻の変動を研究する地球物理学や地質学などの学問分野でも重要な要素となっています。

これらの事実からもわかるように、地球は私たちが思っている以上に複雑な形をしており、いくつもの要素によって影響を受けているのです。