古代アフリカの知識の拠点
一般的に、世界最古の大学はイタリアのボローニャ大学とされていますが、実はそれよりも遥かに古い大学が存在します。それは、アフリカにある「ティンバクツー大学」です。
ティンバクツー大学はマリ共和国に位置し、西アフリカのゴールドコースト地域に栄えた古代の王国「マリ帝国」の領域内にありました。14世紀から16世紀にかけて、この大学はアフリカ大陸でも最も重要な知識の拠点となりました。
ティンバクツー大学の特徴
ティンバクツー大学はイスラム教の中心地であり、多くの学者や文化人が集まる場所でした。ここでは、イスラム教の哲学や科学が研究され、知識が広まりました。
さらに、ティンバクツー大学では人文科学や社会科学、数学、天文学、医学、法学など幅広い領域の教育が行われました。学生は手書きの古文書から知識を学び、演習やディスカッションを通じて知識を共有しました。
豊富な蔵書と学術の交流
ティンバクツー大学は、世界中から集まった学者が持ち込んだ多数の書物を収蔵していました。これにはアラビア語や地元の言語で書かれた聖典、哲学書、歴史書、文学作品などが含まれていました。
また、ティンバクツー大学は学生や教師の交流の場でもありました。学生たちは他の大学や学者と交流し、知識の交換や学問の発展に尽力しました。
再評価されるティンバクツー大学
長い間忘れ去られていたティンバクツー大学ですが、近年その重要性が再評価されています。ユネスコは2016年にティンバクツー大学の古文書を世界の記憶遺産に登録し、その価値を認めました。
ティンバクツー大学は、アフリカが古代から豊かな知識の発信地であったことを示す貴重な証拠です。それは、アフリカの歴史や文化を理解する上で重要な要素となっています。
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