世界最大の渦潮「鳴門の渦潮」について

概要

鳴門市、香川県と徳島県の境にある鳴門海峡は、太平洋と瀬戸内海をつなぐ海峡であり、日本屈指の潮流が発生しています。その潮流が引き起こす渦潮が有名で、特に「鳴門の渦潮」は世界最大とされています。

鳴門の渦潮は、直径20m以上、高さ1.5m以上、流れの速度は時速20km以上にもなると言われています。そして、渦潮が起こる時間帯は約1時間程度であり、潮の干満とともに起こるため、時期によって見られる渦潮の大きさは異なります。

渦潮ができる原因は、狭い鳴門海峡を通る潮流の大きな運動量の不均一性にあります。具体的には、海峡の幅が狭いため、瀬戸内海から太平洋へ流れる潮流が海峡狭域に集束して速くなり、その境界で激しく混ざりあうことによって発生します。

鳴門の渦潮の存在は古い時代から知られており、古代和歌の一つ「鳴門の　こはぜにそくらむ　天河の　わたせるわたと　人はいふなり」という歌にも詠われています。また、渦潮が物流や人の移動に大きな影響を与えたことから、江戸時代には「日本三大奇勝」の一つに数えられるようになりました。

鳴門の渦潮は、渦潮が見られる時期には多くの観光客で賑わいます。観光船や展望台から、迫力ある渦潮を見ることができます。また、鳴門海峡沿いには渦潮をテーマにした博物館や温泉街があり、一日中楽しめるスポットとして人気です。