世界最大の湖はカスピ海ではなく、カスピ海に流れ込む河川が流れる別の湖

豆知識

カスピ海は面積約37万km²、世界最大の湖として知られる。しかし、実はカスピ海に流れる河川が流れ込む「ヴォルガ・カスピ海運河システム」に存在する湖が、カスピ海よりも面積が広いことがあまり知られていない。

この湖はロシア、カザフスタン、トルクメニスタンの三国にまたがり、面積はおよそ68万km²と、カスピ海の約2倍の広さを誇る。名前は「カスピ海の姉妹湖」とも呼ばれているが、正式な名前はアラル海である。

詳細

アラル海は、かつてはカスピ海や地中海と同様に、塩水の湖であった。かつては漁業や農業も盛んな地であり、周辺地域の人々にとって大切な資源であった。しかし、20世紀に入ると、カスピ海と同様にアラル海も蒸発による塩分濃度の上昇、流入する河川の減少、水の過剰取水により急速に縮小していった。

このため、周辺地域の土地が塩害に悩まされ、湖岸線の後退により漁業や農業は壊滅状態に陥った。さらに湖岸近くの砂漠化も進み、環境破壊が問題となっている。

当初は「アラル海改修事業」という範囲の大きいプロジェクトが立ち上がり、河川の取水量を抑えたり、塩分濃度を下げるための様々な工夫が行われた。しかし、現在でもアラル海はかつての姿には戻っておらず、その壊滅的状態は、繁栄した歴史を持つ湖が一朝一夕にどのように縮小し破壊されてしまうかを物語っている。

出典 : 環境省


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です