江戸時代における切腹

概要

切腹は、自殺の一種であり、武士や公家など、身分の高い人々が行うことであった。江戸時代には、この行為には厳密なルールが存在し、正式な手続きが必要であった。

手続き

切腹の手続きは、以下のように行われた。まず、本人が申し出をする。次に、主君や上司など、直属の上司からの許可を得る必要があった。そして、役人たちが集められ、場所を指定された。

その後、抜刀術など、剣の技術が高い者が呼び出され、被切腹者と一緒に準備をする。被切腹者は、場所に着くまでに三度、舎人（とねり）と呼ばれる人に縄で縛られ、胸に神道の符を貼られた。

切腹場では、被切腹者は正座をし、腹巻きをしていた。そして、剣を持った者が切腹を促し、被切腹者が「失礼いたします」と言ってから、自分で腹を切り、それを剣で斬ってもらう。

その理由

切腹には、武士の名誉と家の品位を守るという意味があった。武士階級には、名前や家柄を守る責任があり、一瞬の失態で家系が存亡の危機に瀕することがあったため、一般的に切腹が許された。

注意点

しかし、切腹は決して軽い行為ではなく、慎重に取り扱われるべきである。違法行為による切腹は、重罪とされ、命を落とすこともあった。また、江戸時代には、女性や一般の人々に対しては切腹が許されることはなかった。