古代からの砂糖の利用
砂糖は、およそ5000年前からインドで作られていたとされています。当時は、薬効や貴重さから、薬や贈り物としての利用が主流でした。
その後、インドから中国に伝わり、唐から日本にもたらされました。日本では「木綿」と呼ばれる砂糖が、平安時代には既に存在していました。
砂糖が普及したきっかけ
その後、漢方薬として使われたり、僧侶たちがお茶に加えたりするなどして広がりましたが、砂糖が大量に使われるようになったのは、中世ヨーロッパの貴族たちがその香りや味に魅了されたことがきっかけです。
当時の砂糖は、シチリア島やカナリア諸島、イベリア半島など、地中海沿岸の地域で栽培されており、高価な菓子や糖蜜酒、スパイスとのブレンドなど、贅沢な料理に使われました。
奴隷貿易と砂糖生産
しかし、砂糖の需要が高まると、砂糖生産地域である西アフリカやアメリカ大陸において、大量の奴隷の労働力が必要になってしまいました。アメリカでは、16世紀後半には、ブラジル、カリブ海地域、南部植民地地帯で奴隷貿易が盛んになり、アフリカから約1,000万人もの人々が、強制的にアメリカに連れ去られたとされています。
その後、19世紀には奴隷制度は廃止されましたが、大量生産・大量消費の世界に移り変わる中、砂糖はますます一般的になっていきました。
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