紫(むらさき)
日本を代表する伝統色の一つである紫は、古くから貴族や武士、僧侶たちが愛用していた色として知られています。その由来は、古代中国で生まれた天然染料の藍染(あいぞめ)と桐染(きりぞめ)を混ぜることで、一定の光の条件下で見ると紫に見えるという現象にあります。その美しさから、日本でも貴族たちが身に着けることで高貴な印象を与えようとしたのです。
朱色(しゅいろ)
朱色は唐から伝わった色で、日本でも平安時代から宮廷で盛んに用いられた色です。その由来は、柘植(つげ)という植物の実を乾燥させて粉末にしたものを使った赤色染料で、唐の時代には朱砂と呼ばれる鉱物から作られた赤色染料が朱色と言われるようになりました。朱色は、日本でも宮廷や華族たちが用いたことで、高貴な印象を与える色とされています。
藍色(あいいろ)
藍染は、日本の代表的な伝統染色技法の一つであり、その起源は中国にあります。藍染は、藍色の染料を使用して布地に染めることで、水に濡れたときに移染しないため、着物や法被などに多く用いられます。古くは、民間信仰の修験道や山伏たちが山登りの際に着用する衣服にも使用されていました。
緋色(ひいろ)
緋色は、朱色に近い赤色で、日本の伝統的な色である赤色の中でも華やかで高貴なイメージを持つ色として知られています。緋の語源は、奈良時代に唐から伝わった色名「非(ぴい)」に由来し、貴族や武士たちが制服に用いたことで知られています。
黒色(くろいろ)
黒色は、日本の伝統的な色であり、日本人が生活していく中で欠かせない色となりました。その理由は、黒色の着物を着ることで、身なりが清潔で正装としても使えるからです。また、日本の伝統芸能である能や歌舞伎などの衣装にも多く使用される色です。
参考文献
・伝統色の魅力 株式会社角川学芸出版
・日本の伝統色 株式会社丸善出版
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