蒸気機関車の「先頭指令者」について

先頭指令者とは？

先頭指令者とは、蒸気機関車が走行する際、車両の最前部に立ち、進路の切り替えや減速等の指示を出す重要な役割を持つ人物のことを指します。

蒸気機関車が登場した当初は、運転士が車両の最前部に立ち、必要な指示を出していました。しかし、運転士と同様に前方の視界が遮られるため、安全性において不利な状況が多々ありました。

そこで、最前部に常に立ち、前方の障害物を予測し、適切に指示を出す人物が必要とされるようになったのです。

先頭指令者は、車両の最前部に立ち、前方の線路状況を常に確認しながら進路の切り替えや立ち位置の指示等を行います。

また、先頭指令者はホイッスルの操作も行います。ホイッスルは、緊急時や鉄道交差点など交通の安全を確保するために吹鳴される警笛であり、先頭指令者によって吹鳴されます。

先頭指令者は、通常は青い制服を着用し、白色の腕章を着用していることが多いです。

蒸気機関車において、先頭指令者は大変重要な役割を担っています。現代の電車などでも、列車の運転において人間の手が介入することがありますが、蒸気機関車のように完全に機械化されていなかった時代においては、先頭指令者の存在が不可欠であったと言えます。