昆虫の「オイルメモリー」

昆虫は匂いを記憶する

昆虫は視覚や触覚に比べて優れた嗅覚を持っています。外敵から身を守るためや、同種の仲間を探すために、様々な匂いを感知しています。

匂いを感知するために、昆虫の脳には「アンテナル・ローブ」と呼ばれる部位があり、この部位で匂いを検出します。

「オイルメモリー」とは?

昆虫が感知した匂いは、脳の中で「オイルメモリー」という現象によって記憶されます。

簡単に説明すると、匂いを検出するために使われるアンテナル・ローブには、独特の構造があって、匂いを分解するための酵素があります。この酵素に触れた匂い物質は、脳内で化学的な変化を起こし、匂いの記憶が定着するのです。

「オイルメモリー」による未来予測

匂いは、食べ物や危険物、仲間の存在など、昆虫にとって重要な情報です。昆虫が感知する匂いは、非常に微弱なものでも記憶されます。つまり、一度でも感じた匂いが、その後の行動に影響を与える可能性があるのです。

研究によれば、蟻は匂いの記憶を使って未来予測をしていることがわかっており、雨が降るかどうか、肥料が必要かどうかなどを匂いによって予測しているのだとか。

昆虫の「オイルメモリー」は、人間にとっても興味深い研究対象です。例えば、匂いの記憶を応用した匂いセンサーや、臭いの除去・消臭技術の開発に役立つかもしれません。


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