豆知識:
世界最古の印刷物は、中国にある「金華山齋藏經」(きんかさんさいぞうぎょう)という円筒形の仏典です。この仏典は、868年に作られたもので、世界で初めて印刷されたとされています。これは、横書きで印刷された木版印刷物の祖先となったものです。
詳細:
868年、中国唐代の咸通11年に、僧侶の蔡襄(さいよう)師によって作られた仏典「金華山齋藏經」は、全200巻からなる仏典です。この仏典は、木版印刷という方法で作られました。木版印刷とは、文字や図案を木版に刻み、それを下地としてインクを塗って紙に転写する印刷方法のことです。
「金華山齋藏經」は円筒形になっており、直径が24.5cm、高さが47cmあります。仏典の本体となる文字は、6.5cm四方の細長い木版に刻まれていました。これらの木版は、糸で束ねられ、円筒形の内部に並べられています。
世界で初めて印刷されたとされる「金華山齋藏經」は、その後、中国をはじめとするアジア全域に広まっていき、紙幣や書籍の印刷に大きな影響を与えました。また、木版印刷の技術は、世界各地に伝わっていき、西洋ではグーテンベルク印刷機の発明に繋がっていきます。
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