世界最古のビールの醸造組合が存在する

背景

ビールは今や世界中で親しまれる飲み物の一つであるが、実はその起源は非常に古く、およそ1万年前にまで遡るとされている。しかし、ビールを醸造する技術が発展するにつれ、それに関する知識や伝統もまた蓄積されていった。今日の記事では、そんなビールにまつわる「世界最古のビールの醸造組合」について紹介したい。

組織概要

「世界最古のビールの醸造組合」は、正式名称を「The Brewers Guild of Cologne（ケルンのブルワー組合）」という。ケルンは、ドイツ西部・ライン川流域に位置する都市であり、その歴史はローマ時代にまで遡ることができる。そして、ケルンは中世には「ビールの都」として知られ、多くのブルワリーが存在した。

そんなケルンのブルワー組合は、紀元1200年頃に設立されたとされ、現在も存続している。拠点はケルン市内にあり、「ケルナー・ヘフト」というビールを製造する10社が加盟している。この組合は、規律、品質、伝統を重んじることを目的としており、加盟するブルワリーには厳しい審査が課せられているという。

特徴

この組合の最大の特徴は、何と言ってもそれぞれの加盟ブルワリーで作られたビールに「認定印」が押されているところだろう。この認定印には、そのビールが「ケルナー・ヘフト」基準に合致していることを証明する意味が込められている。ケルナー・ヘフトとは、ブルワリーごとに異なるレシピや醸造方法を使いながらも、ケルンの伝統的な味わいを保持したビールのことである。

また、この組合では独自の「ブラインド・テイスティング」という審査方法を採用している。これは、加盟するブルワリーのビールを無名化して、試飲パネルが味や香り、色合いなどを判断する方法である。この方法により、より公正な審査を行うことができるとされている。

結論

ビールは、日々進化している飲み物であるが、その歴史や伝統を大切にする組織が存在することを知れば、ビールの魅力が一層増すことだろう。世界最古のビールの醸造組合「The Brewers Guild of Cologne」は、そのような組織の一つであり、ケルンのブルワリーシーンに欠かせない存在である。