背景
紫式部の「源氏物語」において、女御車の冠を求める歌合が行われます。その中で、主人公の光源氏が次のような歌を詠んでいます。
「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて、みずあれば、こぬことも がなりける」
この歌こそが、有名な「春はあけぼの、夏は夕暮れ」と言われる歌詞の元ネタになっています。
問題点
しかしながら、今日、よく知られている歌詞は正確ではありません。「春はあけぼの、夏は夕暮れ」という歌詞は、江戸時代に刊行された漢詩集「読史余論」の中に、意訳として登場したものです。
考察
源氏物語の歌には、季節に応じた時間帯を示したものが存在します。このように、時刻や季節を描写することは古い和歌や漢詩にはよくあることであり、この歌もその一例です。
よって、光源氏が詠んだ詩は、「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて、みずあれば、こぬことも がなりける」という正しい歌詞であると言えます。
まとめ
「春はあけぼの、夏は夕暮れ」という歌詞は、江戸時代の漢詩集で登場した、源氏物語の歌の意訳に過ぎないものであることがわかりました。正確な歌詞は、「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて、みずあれば、こぬことも がなりける」であり、季節に応じた時刻を表しています。
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