東京駅の八重洲口に隠された秘密

「鳩サブレー」とは?

東京駅の八重洲口を出ると、そこには高級スイーツ店「東京駅名店街 イースト」があります。この中に、鳩の形をしたサブレーを販売している「八重洲鳩サブレー店」があります。

この鳩サブレーには、独特の歴史があります。昭和12年、東京駅前には郵便局があり、郵便の集配に使われていたのが鳩でした。そこで、集配された郵便物の係員が、余った餌を渡していた鳩たちの餌付けをしていたのです。

しかし、昭和20年代には鳩の餌は不要になり、鳩たちは姿を消してしまいました。それでも、東京駅前の鳩はなくなることはありませんでした。なぜなら、昔から東京駅前には無数の鳩がいて、駅前を飛び回っていたからです。

そこで、鳩がいなくなったのは寂しいと感じた集配係員が、かつて餌付けしていた鳩の名前を入れたサブレーを考えたのです。これが「鳩サブレー」の始まりです。

豆知識:東京駅は著名な作家に愛されている

東京駅が誕生した昭和初期から、多くの著名な作家たちに愛されてきました。

例えば、太宰治の小説「斜陽」の中でも、東京駅が登場します。

「私は寝た夢のなかに汽車が走っているのを見たことがある。隅田川の上、東京駅の手前辺りだった。汽笛はもう二・三度鳴った。汽車はゆっくり這い上(のぼ)るように川をわたって来た。」

また、江戸川乱歩の小説「少年探偵団」でも、東京駅のシーンが登場します。

「出口前で、我々はすこぶる疲労感を憶えた。来たばかりの二十五日間に、原稿四十枚を書き、コラム、評論、小説などを十五本執筆し、話し合いを二十時間ほどもち、会合に出席し、講演をやり、旅行を二度、そしてこれから観劇などもしなければならなかったのだから、往復二〇時間を割り振って、立とうとして、そのため息の音まで、東京駅大広間が消し去ってゆく。」

そして、東京駅の名物時計台をテーマにした作品もあります。三島由紀夫の小説「給与と渇水」では、主人公が東京駅の時計台を眺めながら、大都会の壮大さを感じるシーンが描かれています。

「皆の視線を一点に集めるかの如く、屋根の上には太い巨柱から時計台がトゥロンと高く突き出し、角の丸くはった熨斗形と特異をなす丸天井が中腰の芸術家の眼を輝かせた。」


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です