豆知識
中国で発明された活字印刷が一般的に知られているが、世界最古の印刷物は、中国ではなく韓国に存在する。碩徳大師が撰した『多宝塔碑』という石碑が、移動式活字印刷機で印刷されたとされている。
詳細
『多宝塔碑』は、751年に建立された石塔に刻まれた碑文であり、中国唐代初期の文化や歴史を伝える貴重な資料である。そして、13世紀に活字印刷機が発明されるまでは、このような書物はすべて手書きで制作される必要があった。
しかし、2006年に韓国・泗川市の埋蔵文化財管理所が発表した発掘調査結果によると、『多宝塔碑』は移動式活字印刷機によって印刷されたということが判明した。これにより、世界最古の印刷物は、活字による印刷ではなく、移動式活字印刷によって印刷された『多宝塔碑』であることが判明した。
補足
活字印刷は、欧米で発明されたとされているが、発明者は複数存在しており、それぞれの発明には時期的な違いがある。しかし、世界で最初に活字印刷を実用化し、広めたのはドイツのヨハネス・グーテンベルクである。彼は、1455年に聖書(『グーテンベルク聖書』)を印刷し、文字組みや印刷の技術について革新的な手法を採用したことで、活字印刷の実用化と普及に成功した。
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