仏教用語「阿羅訶」から派生?
日本人が日常的に使う「ありがとう」という言葉は、感謝の気持ちを表す言葉として広く使われています。しかし、その語源については諸説あって、はっきりとした由来は不明とされています。一般的には、古語の「有り難う(ありがたう)」が転じたとされていますが、別の説もあります。
仏教用語の「阿羅訶(あらか)」が、日本の「ありがとう」の語源となったとする説があります。仏教では、人々が苦しむ心の状態を表す「十界」があり、その中に「怒りや憎しみ、妬みなどを表す瞋(いかり)」があります。その瞋を取り払うために唱えられるのが「阿羅訶」で、音色と共に瞋を振り払うという意味を持っています。
この「阿羅訶」が、日本の「ありがとう」として派生した説では、感謝の気持ちを表す言葉も同様に瞋を取り除く意味を持つのではないか、とされています。つまり、「ありがとう」という言葉が言われることで、受け取った人の心に残るものを、憎しみや妬みなどの負の感情ではなく、感謝の気持ちに変えることができるということです。
さまざまな説がある「ありがとう」の語源
他にも、「ありがたう」や「有り難う」が転じたとされる説や、江戸時代に流行した「あんだんて」が転じたとする説、異国語から来た言葉である可能性がある説など、様々な説があります。正確な由来は定かではありませんが、「ありがとう」という言葉が日本文化に根付いていることは間違いありません。
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